精密水分計 HydroTracer HT3

Hydro Tracer HT3は、広く用いられているKarl Fischer滴定法に付随する問題を克服して、誰にでも簡単に正確で再現性に優れた水分計測が得られる軽量・コンパクトサイズの精密水分計です。

【製品概要】
ハイドロトレーサーHT3は、固体中の低水分量を測定するための高精密水分計です。
比較的大量のサンプルに関連する特許取得済みの測定方法の精度により、ppmの分解能で最小の水分を測定できます。多数の顆粒、粉末、ホイルの水分を測定できます。
HydroTracerは、主にプラスチック顆粒の残留水分を測定するために使用されます。処理前の特定の水分含有量の遵守が品質決定基準です。
調査対象の材料の絶対水分量は化学的に決定されます。他の揮発性成分または添加物は測定結果に影響しません。この基本概念により、水を選択する測定方法になります。
コンパクトで堅牢な設計とシンプルな操作により、生産アプリケーションやモバイルアプリケーションでの使用が可能になります。 HydroTracerは特別なトレーニングなしで簡単に使用できます。

水蒸気が水素へ置き換えられ、同時に水素化カルシウムが水酸化カルシウム（消石灰）へと変化します。温度が下がり、水分が除去された空気は再び下部の反応器へと移動します。特殊な幾何形状を持つ垂直パイプにより、自然に対流が発生して空気が循環します。この方法により、吸湿性を持つ物質であっても完全に乾燥させることができます。したがって、反応器内に生ずる最終的な水素濃度は、測定開始前にサンプル中に存在し
ていた水分量に比例します。
この測定値には雰囲気中に含まれる水分も含まれます。したがって、正確な測定結果を得るためには雰囲気中の湿度と空気密度を知る必要があります。そのため、雰囲気中の湿度、温度、圧力を測定する複数のセンサーが組み込まれています。
これらのデータをソフトウェアが解析して雰囲気中の湿度を算出し、最終的な測定結果を補正します。水素濃度は、気体の熱伝導度検出センサーを使用して測定します。

【主なユーザー】
＊プラスチック樹脂製造メーカー　（顧客に製品品質を保証）
＊プラスチック樹脂加工会社　（樹脂の乾燥時間の最適化に利用、歩留まりの改善）
＊熱可塑性樹脂、ＡＢＳ，ＰＢＴ、ポリアミド、ＰＣ，ＰＥＴ、デュロプラスチックエラストマー、金属パウダー、
＊形状 : ペレット、フィルム、繊維、パウダー、モールド材、等

【長所】
①高度のトレーニングを受けた熟練のオペレーターは不要で、高い信頼性のあるデーターが得られます。
②前処理方法や分析担当者の技能力の違いによる、別々なユーザーによって得られた結果が異なるケースが全くありません。
③品質管理のために生産ラインからの迅速なフィードバックが求められる生産現場での使用にも最適です。
④使い易く、ppmレンジにまで至る高精度・信頼性と再現性を備え、しかも殆ど保守を必要としない堅牢性に優れた精密水分計です。
⑤測定が終了すると装置は直ちに次の測定の準備を始めますから、殆ど連続といって良い形態で連続測定の実行が可能です。
⑦専用ソフトウェアで測定状態を確認及び各種パラメーター設定・測定データ結果をＰＣに保存、管理ができます。

技術仕様

テスト時間	10 － 45 分
試験時間	50 － 210 °C (1℃刻み設定可能)
サンプル量	0.1 － 50 g
反応試薬	水酸化カルシュウムCaH2
測定範囲	0.2 － 25 mg (絶対) 0.0005 － 5 % (相対)
測定精度	測定誤差< ± 2% (読み取り値に対して) ± 1 ppm (0,0001%)
分解能	± 0.1 － 0.6 mg
測定環境	- 10 － 40°C/ 90% rH
電源電圧	100 － 240 VAC 1000 W 50/60 Hz
重量	6.4 kg
寸法	290 x 180 x 260 mm (H x W x D)
インターフェース	USB
パソコン動作環境	Windows７又は以降品

測定原理　【特許取得】

サンプルトレイ中の試験材料を加熱します。
加熱された上記が上方向へ移動します。
反応剤との反応によって水が水素で置き換えられます。
センサーが水素濃度を測定します。
温度の下がったガスが下方向へ移動し、再び水分を吸収します。

サンプルを秤量してからサンプルトレイへ入れます。
サンプルトイレをHydroTracerへ押し込みます。(トレイが反応器の一部となります。)
ヒーターがサンプルを加熱して所定の温度(オペレーターが設定)まで上昇させます。
サンプル材料中の水分が蒸発します。
揮発した水が反応器の上部へ移動します。
加熱されたサンプルトレイは上部の冷えた部武運と2本のパイプで接続されており、冷えた上位部分に反応剤が置かれています。
反応剤(約0.1gの水素化カルシウム)は平らな小型トイレに収められています。
この反応剤の上を湿った空気が流れると、水蒸気は上の式に従って水素化カルシウムと反応します。

試薬

測定に必要な水素化カルシウム試薬は、2つの実施形態で利用可能です。
使いやすいパウダー、またはパウダーで満たされたテストパッドの形です。
環境にやさしく、毒性はありません。測定後は、水と反応し、形成された水酸化カルシウム(石灰)は簡単に廃棄できます。
試薬の有効期間はほぼ無制限です。測定ごとに、投与スパチュラを使用してテストパッドまたは少量の粉末を追加します。

ソフトウェア

PCプログラムがHydroTracerを制御します。プログラムはユーザーに正確な指示を与えるため、操作エラーはほとんど排除されます。
測定は簡単で、わずか数ステップで実行できます。各測定は2分の作業時間が必要です。
材料密度と測定温度に関する必要な情報を備えた広範な材料ライブラリがすでに保存されています。
このデータベースは、顧客の個々の要件に応じて、いつでも補足および編集できます。

オペレーターは、画像およびテキストベースの指示でプログラムをガイドされます。この手順により、トレーニング時間が大幅に短縮されます。
原則として、経験の浅いユーザーでもエラーのない測定を実行できます。
残りのプロセスは自動です。[mg、%、ppm]単位の含水量の現在の値は、測定モードでグラフィカルに表示されます。
結果レポートは、テストの終了後にPDF形式で保存されます。
測定後、内臓ファンがリアクターを50℃のスタンバイ温度まで冷却します。
HydroTracerは、別の測定の準備ができました。

測定には、残留水分量とサンプル量に応じて、約15～30分かかります。